3200億円を売り上げたフィリピンカジノ市場
フィリピンのカジノ市場全体の動きについてよくまとまった記事を見つけましたのでユニバーサルエンターテインメントを検討している方向けにまとめておこうかと思います。
フィリピンカジノセクターの成長
フィリピンのカジノセクターの成長は著しく、フィリピンの一大産業でもあります。ドゥテルテ大領領の写真がトップにあるように、大統領肝いりの産業政策ともいえます。
昨年2017年、フィリピンのカジノビジネスは年率13.8%の成長を果たし、売上高は約3,200億円($2.92 billion)となりました。
その成長に大きく貢献しているのがマニラ空港近くの4つのカジノリゾートになり、City of Dreams、Solaire、Resorts World、そし我らがOkada Manilaとなります。これら4つのカジノリゾートだけで全体の71.5%となる約2,300億円を売り上げています。成長率は26%近くにも及びます。
フィリピンのカジノ規制団体となるPAGCOR (Philippine Amusement and Gaming Corporation)は、規制当局の役割だけでなく、オペレーターとしての役割も持っており、国営のカジノから約720億円($660 million)の売上を上げています。
今後行われる投資の概況
ドゥテルテ大領領は、フィリピンの観光産業を育成し、2020年までにフィリピンをASEANでトップのカジノとエンターテイメントを持つ国にするようPAGCORに指示しています。
ブルームベリーリゾーツは$1.2 billionの投資規模でSolaireを2013年に開業し、メルコリゾーツは2014年開業のCity of Dreamsに$1.3 billionの投資を行い、ユニバーサルエンターテインメントはTiger Resortsを通じて、$2.4 billionを投じてOkada Manilaを2016年に開業させています。
さらに、先月 Westside City Resorts World は現在開発中のカジノ併設型リゾートへ追加の$1 billionの出資を行うと発表しました。トータルの投資額は Okada Manila と並ぶ、$2.3 billion となります。このカジノは2020年の終わりまでに開業の見込みで、マニラ湾に新たなカジノリゾートの仲間が増えることとなります。
それだけではありません。香港に拠点を置き、マカオで事業展開している Galaxy Entertainment はボラカイ島で$500 million級のIRを計画しています。Galaxy Entertainmentは先日ウィンリゾーツの株式の4.9%を取得した企業です。
PAGCORは自身の運営するカジノの売却を検討中
PAGCORは現在カジノの運営も行っていますが、これらを売却して規制当局としての役割のみを行う団体へと移行することを検討しています。自身が持つ46のカジノ施設を、民間企業へ売却を行っています。
それらのプロセスが終了すると、PAGCORは Philippine Amusements and Gaming Authority へと名称変更を行う予定になっています。
こうしたカジノ施設は現在50%の課税がされているのですが(半ば国営なのでこれで何の問題もなかったのですが)、民間企業に売却された後は課税負担が軽減され15%の課税へと変更されます。
すでに完成した施設を買うことで時間の節約になり、施設を買い受ける企業にもメリットがあります。一方で、国は一時的に売却益を売ることができるだけでなく、引き続きカジノ売り上げから15%の税金収入が見込まれフィリピン政府当局にもメリットがあるディールと考えられています。
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