【マイニング】結局いくら儲かったのか収支計算編(2018年3月)
仮想通貨のマイニングに参入してはや3か月が経ちました。私が参入したのは年末のアルトコイン祭りの頃で、今では信じられないですが本当に何でも値上がりしていました。覚えているのはTRX(トロン)、XP(eXperience Point)、KIN、Sproutsなど。本当に何でも3日で5倍くらいになっては皆が熱狂していました。
例えばXPは2017年12月26日付で1XP = 0.0319円でした。それが、年が明けた2018年1月5日には1XP = 0.589円を付けたのです。およそ18倍です。
XP支払いを受け付けるお店が日本にいくつも現れ、私自身それを体験しに足を運んでみたりもしました。
そんな雰囲気の中で私はDOS/V POWER REPORTのマイニング特集を読み、GPUを注文することにしたのです。
マイニングを開始するために購入した機材一覧
当時、事前に計算したところ投資に対するROIはおよそ300%、つまり10万円投資すれば1年間で30万円となり戻ってくることが分かりました。この収益性がしばらく、すくなくとも数か月(3-4か月程度)続けば元は取れる。リスクが低いと考えてまず30万円ほどのリグを組むこととしました。これが当時購入した主な機材の一覧です。
- GeForce GTX 1080 8GB (GPU) 69,984
- GeForce GTX 1080 8GB (GPU) 72,878
- GeForce GTX 1060 6GB (GPU) 28,229
- Windows 10 Home DSP (OS) 13,824
- CORSAIR HXi Series HX1000 (電源) 28,980
- USB2.0用 無線LAN子機 (無線LAN) 1,276
- ASUS EX B250 (マザーボード) 10,445
- DDR4-2133(PC4-17000) 8GB (メモリ) 9,980
- Intel CPU Celeron G3900 2.8GHz (CPU) 4,901
- Samsung SSD 120GB (SSD) 4,980
- 電源ボタンスイッチケーブル (アクセサリ) 414
- PCI-E 1X to 16X ライザーカード (アクセサリ) 4,999
- Bluetooth USBアダプタ (アクセサリ) 1,120
合計 252,010円
この構成で数日運用したところ、一日のグロス収益が1200-1300円ほどになることが分かりました。仮に一日平均1250円としたら一年でおよそ46万円になります。初期投資にはGPU以外が含まれていますので、ここから先はGPUを増やせば増やすほど効率が上がると考えて、さらに追加のGPUを段階的に購入することにしました。
追加の機材一覧
- GeForce GTX 1080 8GB (GPU) 64,278
- GeForce GTX 1070Ti 8GB (GPU) 64,780
- CORSAIR HXi Series HX1000i (電源) 32,540
合計 161,598円
先ほどの初期投資と合わせると413,608円となります。二つ目の電源ですが、GPUが5枚を超えたところで1000Wの電源容量では安定して電気共有をまかなえないため、追加で購入しています。
4枚目までは順調で利回りとしては当初の計算通り200 - 300%で推移していました。しかし、5枚目を購入したあたり(2月上旬)から雲行きが怪しくなってきました。
しかも、そのころはGPUが極度の在庫不足に陥り、12月と比べると1.2-1.5倍程度でGPUが取引されるようになっていました。私も5枚目はヤフオクで中古品を購入しています。今から考えるとかなりの高値です。
で、結局いくら儲かったのか
今日でちょうど3か月たちました。私はマイニングに NiceHash を使っていました。報酬は BTC で支払われます。記録の残っている範囲で計算すると、3か月間で得た報酬は、
0.07025 BTC
となります。今日のBTC価格(約90万円)で計算するとおよそ6.3万円となります。先ほどの支出合計41.6万円をもとにすると、すでに15.5%の回収を終えています。
???
そうです。3か月たったのにまだ15%です。このペースでいくと1年たっても60%しか回収を終えられません。そもそも最初の試算では数か月で初期投資を回収している予定だったのです。ちなみに上の試算には電気代が含まれていません。ということは、すでに赤字になっている可能性も考えられるのです。
止まらない Difficulty の上昇とコイン価格の下落
そうです。宴はもう終わっていたのです。私と同様、仮想通貨マイニングで儲けようと狙った人が参入を続けた結果、競争は激化し採掘難易度は上昇を続けていました。
下は GeForce でよく掘られている Zcash(アルゴリズム: Equihash)の採掘難易度のチャートです。2月を境に Difficulty の上昇は続き今では1月のボトムから2倍弱の上昇となっています。これより、1日当たりの採掘量が減少し続けていることが分かります。
採掘難易度は上がり続ける一方で仮想通貨の価格は下がり続けています。Zcash はBTC価格、Fiat価格(USD)ともに下がり続けており、いまは過去の高値から半値以下の水準となっています。
これは純粋に採掘できるコインの価値(Fiat建て)がかつての1/4程度まで減少してしまっていることを示しています。現に、最盛期は2500円程度あった報酬(GPU4台)がいまでは600-700円程度まで低下しています。
マイニング撤退を決めGPUを売却
私はこのトレンドがしばらく継続すると見ています。ということは、このまま続けていても当面は赤字経営が続きます。一方で、まだまだGPUの需要は底堅いです。すでに規模を拡大しているファームや電気代の安い諸外国では収益化の余地がまだあるのだと考えられます。現在、GPUを売却中です。
GTX 1080は平均68,000円で売れました。購入価格は平均7万円弱でしたから3%の減価にすぎないことになります。電気代控除後に3%以上のコインが手に入っていれば、一応はプラスのはずです。ただし、GPU以外の高値での売却が難しい機材に関しては、新しいパソコンを買ったものとして使い続ける必要がありそうです。
結論としては、マイニング投資の収益性は△。これからコイン価格が再び上昇する可能性はありますが、確実性は低いです。一方でPoWに支えられている仮想通貨の仕組みを知るという点では非常に有意義な実践だったといえるでしょう。
追記 (2018/04/13)
クラウドマイニング(Hashflare と Bitcoin.com)の収益性の記事もぜひご覧ください。
5/20追記: そろそろ Hashflare 買い頃か
Hashflare に関する新記事書きました。